不動産投資で賃貸物件の建築費を値下げする方法のポイントと交渉術

  1. 建築費
  2. 22 view

不動産投資で賃貸物件の建築費を値下げする方法を、初心者の方が知る機会はあまりないと思います。

しかしできるだけ建築費を抑えて建てることは投資成功の条件であるため、具体的な方法を早めに知っておくべきです。

そこで今回は不動産投資で賃貸物件の建築費を値下げする方法のポイントと、建築会社との交渉術について詳しくお伝えします。

値引きの現実や過剰要求のリスクなどについても詳しくお伝えしていますので、ぜひ最後までお読みください。

 

賃貸物件の建築費相場

値下げをしても粗悪な建物になってしまっては意味がないため、まずは適正な建築費相場を知っておきましょう。賃貸物件の工法ごとの坪単価は以下のようになっています。

工法 平均坪単価
木造 50〜70万円
軽量鉄骨造 60〜80万円
鉄筋コンクリート造 80〜100万円

工法とは建物の骨組みの材質ことであり、主に木造、軽量鉄鉄骨造、鉄筋コンクリート造があります。

木造は日本に古くからある工法で、ハウスメーカーから地域の工務店まで依頼先が豊富に存在します。このため競合させることで費用交渉がしやすいという特徴があります。

軽量鉄骨は主にハウスメーカーが扱う工法で、金額は高めですが骨組みの大半を工場で生産するため施工精度が高いという特徴を持ちます。

鉄筋コンクリート造はコンクリートの中に鉄筋を埋め込んだ構造で、耐震性や耐荷重性に優れた工法です。ただし建築費はこの3種の中では最も高額になります。

それぞれの工法の特徴については以下の記事でも詳しくお伝えしていますので、併せてお読みになってください。

不動産投資で賃貸物件の建築費相場と内訳を知り高利回りを実現する

http://fudosan-archi.com/2021/01/06/rental-property-construction-cost-market/

 

建築費をプランで値下げする方法

建築費はどのような建物にするかというプランによっても値下げが可能です。ここではその具体的な方法を紹介します。

 

設備を廉価グレードにする

設備を廉価グレードにする

キッチンや浴室と言った設備のグレードを変えると、簡単に建築費を値下げすることができます。

建築会社は設備を標準グレードですすめることが一般的ですが、キッチンメーカーのラインナップには標準グレードの下に廉価グレードが設定されています。

廉価グレードと言っても調理するには十分な機能を備えており、国産メーカーであれば耐久性が落ちることもありません。

このため部屋数の多い賃貸物件では設備のグレードを変えるだけで、簡単に数百万円の値下げができます。

他にも洗面化粧台やエアコンなども同様の効果が期待できるため、建築会社に必ず廉価グレードの提案もしてもらいましょう。

 

部屋をファミリータイプにする

部屋をファミリータイプにする

賃貸では主に単身者用のワンルームタイプと、家族向けのファミリータイプという2つの部屋タイプがあります。

建物の面積が同じ場合、1部屋が小さめのワンルームタイプで建てたると部屋数が多く取れます。

しかし部屋数に比例してキッチンや浴室エアコンなど設備の数も増えるため、ファミリータイプに比べワンルームの方が建築費は高くなります。

一方ファミリータイプは1部屋が大きく同じ建物面積でも部屋数が少なく済むため、建築費はワンルームタイプより安く抑えることができます。

ただし都心などではワンルームタイプの方が需要が高く、ファミリータイプで建築すると建築費を抑えられても空室が発生しやすくなる恐れがあります。

部屋タイプは建築費を下げる効果はありますが、需要をしっかりと確かめた上で選ぶようにしましょう。

 

建築費を値下げ交渉するポイント

建築費を値下げ交渉するポイント

ここでは建築会社と直接値下げを交渉するためのポイントをご紹介します。

ただ単に値下げを要求するだけでは建物で使う材料を安価なものに変えられたり、賃金の安い業者を使われたりして低品質な建築になる恐れがあります。

このため無理な値引き要求にならないように注意し、以下に紹介する正しい値下げ交渉をするようにしてください。

・複数社で比較する

複数社から見積りを取ることは、より適正で有利な金額での建築に必要なことです。

検討しているプランの相場価格を知ることができ、さらに他社も検討していることが伝わるためより有利な金額提示をされる可能性が高まります。

・高額な場合は理由を聞く

見積りが高額に感じたらその理由を聞くと、割高なだけか妥当な提案理由があるかが分かります。

特に見積りの中の1項目だけ高い場合は、その建築会社なりの理由があることも考えられます。

・値下げの余地はあるか

見積りを取った後は各社に必ず値下げの余地がないか聞くようにしましょう。

設備や間取りなどを変えることで価格を抑えられる、コストダウンプランを用意してくれる建築会社もあるからです。

この3つの方法は品質を落とさず建築費を下げられる有効な交渉ポイントです。

以下の記事でより詳細に解説していますので、ぜひご覧になってください。

不動産投資の賃貸アパート建築費!適正価格と安く抑える4つの方法

https://fudosan-archi.com/2020/09/23/reasonable-price-and-low-price/

 

値引きの現実と過剰要求のリスク

値引きは契約前交渉の最終段階で行われますが、建築業者の種類によって金額割合は異なります。

あらかじめ現実を把握し、より有利な条件を引き出すようにしましょう。

 

建築業者による値引き額の違い

建築業者による値引き額の違い

アパートなどを手掛けるハウスメーカーでは値引きが常態化しており、建物規模にもよりますが数百万円単位の大きな値引きが出る場合もあります。

ただし値引きをするハウスメーカーは初めから見積りに値引き分を上乗せしているため、値引きをされても必ず得をしているとは限りません。

むしろ本当の価格がどこにあるのか不透明で、見積りの比較が難しくなっています。

一方でゼネコンや工務店などによる建築はオーダーとしての依頼となるため、依頼主から提示された予算で材料や作業費を見積ります。

このため値引き分を上乗せしているようなことは少なく、値引きはあっても数%から端数切り程度です。

こうした依頼先の種類による値引き幅を理解し、特にゼネコンや工務店には無理な値引き要求をしない方が無難でしょう。

 

過剰な値引きのリスク

過剰な値引きのリスク

ハウスメーカーでもゼネコンや工務店でも、あまりに極端な値引きをすると建物の品質が下がるリスクがあります。

車のように既に出来上がっているものの値段を下げるなら良いのですが、これから作るものの金額を下げれば建築会社は必ず帳尻合わせを行います。

企業である以上マイナスになる仕事は絶対にしないため、材料を変えたり格安で仕事を請け負う業者に依頼したりして費用の調整をされるのです。

品質を下げずに建築費を抑えるためには、紹介したような相手の立場を尊重した正しい交渉や設備やプランの調整で、値下げするようにしましょう。

 

値下げすべきでない部分

値下げをしてしまうと入居者が集まりにくくなったり、耐久性が下がったりしてしまう部分があります。

こうした点を理解しておかないと建築費は下がったものの、実際に賃貸運営を始めた後に大きなロスを引き起こす恐れがあります。

特に危険性の高い2つのポイントをご紹介しますので、値下げ交渉の前にぜひ把握することをお勧めします。

 

外壁や屋根

外壁や屋根

外壁や屋根にかける費用を下げてしまうと耐久性も下がる傾向があり、安易にコストカットはすべきではありません。

グレードの低いものだと10年を超えた程度で変色や細かなひび割れが発生し、建物の見た目を大きく損なってしまいます。

すると入居希望者から敬遠されてしまい、空室がなかなか埋まらないという事態も考えられます。

屋根材は見た目だけでなく劣化による雨漏りなどの危険性もあり、発生すれば部屋の改修や入居者の家財の補償まですることもあり得ます。

外壁や屋根については建築会社から提案を受ける際、グレードをいくつかに分けた見積りを出してもらいミドルクラス以上の工事を選ぶようにしましょう。

 

給排水工事

給排水工事

給排水工事は建物に飲み水を供給し、さらに各部屋からの排水を流し出す配管工事ですが、この費用を下げることは極力避けた方が良いでしょう。

水道法などの基準があるため極度に粗悪な工事になることは少ないのですが、万一不備が発生すると水漏れを引き起こし建物などの大きな被害につながるためです。

付帯工事の中では高額な工事であるため、建築に不慣れな依頼主の方の中には給排水工事の値下げを求める方もいます。

しかし工事の基準が定められているためコストをカットするには工賃が安い水道業者を使うしかなく、作業が雑で不良工事になってしまう恐れがあります。

給排水は大切なライフラインであり、不具合が発生すると入居者へ多大な迷惑もかけてしまうため、コストを削減すべきではない工事と言えます。

 

費用の割合と値下げのポイント

費用の割合と値下げのポイント

賃貸物件の建築費では主に、①本体工事費②付帯工事費③諸費用という3つの費用がかかります。

これらの費用の割合と値下げできる部分を知り、交渉する際の参考にしていただきたいと思います。

 

本体工事費

本体工事費は建物の躯体や窓、内装、水回り設備、電気工事などを含みます。

いわゆる坪単価に面積をかけて算出される費用であり、総費用のおよそ70%を占めています。

すでにお伝えしたように間取りや設備で値下げが多くできる部分であるため、面倒でも1項目ずつ工事内容を確認し材料などを検討するようにしましょう。

 

付帯工事

付帯工事は建物本体工事以外で主に外部で行う給排水工事や造成工事、地盤改良工事など建物を住めるようにするためのものであり、総費用のおよ20%を占めます。

これらは敷地や建物の条件によって費用が大きく異なるため通常は坪単価に含まれません。

付帯工事はライフラインや建物の安全性につながる工事が多く、あまり値下げをして工事の質が下がってしまうと、不具合が発生した際に大きな問題になりやすい部分です。

このため複数社の見積りを比較し極端に高い項目があった場合に、理由の確認や値下げ交渉をする程度にした方が安全でしょう。

 

諸費用

諸費用は主に設計料や建築に必要な申請関係の費用、融資を受けるならその諸費用や登記の費用になり、総費用のおよそ10%を占めます。

諸費用は一律で金額が決められている項目が多いため業者間の金額差もあまりなく、値下げ交渉の余地もあまりありません。

唯一値下げができるとすれば設計料で、建築会社とは別の設計事務所などに依頼する「設計施工分離方式」で7〜8%、建築会社内の設計部門で行う「設計施工一貫方式」で1〜3%と掛け率が異なります。

ただし掛け率の低い設計施工一貫方式は手抜き施工の温床になっているという指摘もあり、慎重に検討しなければなりません。

ご紹介した付帯工事や諸費用の具体的な項目については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。

不動産投資で賃貸物件の建築費相場と内訳を知り高利回りを実現する

http://fudosan-archi.com/2021/01/06/rental-property-construction-cost-market/

 

新築で建てるメリットを確認

賃貸では一定の中古物件需要がある一方で、新築に対する根強い人気もあります。

そこでここでは新築で賃貸物件を建築するメリットを改めて確認しておきたいと思います。

 

入居者が集まりやすい

入居者が集まりやすい

賃貸業界では新築プレミアムという言葉が存在するほど、新築物件は人気が高くなっています。

新しいものは確かに魅力的ですし、特に日本人は他人が使っていないものに価値を感じる国民性だとも言われます。

実際に新築の賃貸は立地が良ければ完成前から部屋が埋まることもあり、しかも退出者が出ても次の入居者が間を置かず決まることもあるほどです。

新築は建築費がかかるものの入居者が集まりやすいため、多くの家賃収入が期待できるのです。

 

家賃を高めに設定できる

家賃を高めに設定できる

新築は高い人気のため家賃を高めに設定できるというメリットもあります。

中古物件では年がたつごとに空室が増えていくため、家賃を下げていくケースも出てきます。しかし新築は入居者が集まりやすいため当面は家賃を下げる必要はありません。

むしろ家賃を支払える方に入居してもらうという強気の運営ができるため、周囲の家賃相場に比べ高めの設定が可能です。

当然高い家賃収入が期待でき入居者が集まりやすいことから、早期の初期投資回収が期待できるのです。

 

修繕費が抑えられる

修繕費が抑えられる

新築は建物の劣化や損傷がまだ発生しておらず、修繕費などが当面かからないというメリットがあります。

さまざまな建材が経年劣化で損傷や故障を発生し、修理や修繕の費用が必要になるのは10年を超えたあたりが一般的です。

たとえば外壁塗装なら塗料によっては10年を超えたあたりから日焼けや細かなクラックが発生し、再塗装を検討するようになります。

また電気設備も10年を過ぎると故障が多くなり交換を推奨するメーカーもあります。

新築ではこうした修繕費が当面必要ないため、資金計画にゆとりが持てるというメリットがあるのです。

 

建物面積を増やして利回りを良くする

建物面積を増やして利回りを良くする

ここまでは建築費を値下げすることについてお伝えしてきましたが、賃貸運営では物件ごとの利回りも非常に大切になります。

利回りとは年間の家賃収入を購入金額で割り100を掛けたもので、できるだけ高い方が収益性に優れた物件となります。

このため賃貸投資では単に建築費が安いだけでなく、どれだけ家賃収入が多いかも非常に大切です。

たとえば建物面積を増やせば部屋数が多くなるため、建築費は上がるものの家賃収入が増えて利回りも高まる可能性があります。

同じ敷地面積でもより階数を高く建築して部屋数を増やし、多くの家賃収入を得られるようにするのは代表的な利回り対策です。

建築費を値下げするのは確かに大切なことですが、常に利回りを意識した運営も行うようにしましょう。

 

まとめ

まとめ

賃貸物件の建築費を値下げするには、建築費相場を十分に把握した上で設備や間取りを適切に選ぶことが先決です。

また値下げの現実と相手業者の種類を理解しつつ、ポイントを押さえた業者交渉をすることも大切になります。

ただし値下げし過ぎるリスクや費用をカットすべきでない部分もあるため、本来値下げは慎重に行うべきものです。

もし費用の把握や交渉に不安があるなら、不動産投資の知識を備えた建築事務所やコンサルタントに相談するのも一つの手段です。

入居者の人気が高く強気の家賃設定が可能な新築物件は、早期の初期投資回収が期待でき一気に高収益資産と変貌する可能性を秘めています。

ぜひ今回紹介した値下げのポイントや交渉術を参考に、高い収益性を持った賃貸運営を行ってください。

【記事監修】 山田 博保

株式会社アーキバンク代表取締役/一級建築士
建築業界での経験を活かした不動産コンサルティング及び建築、不動産に関わるWEBメディアを複数運営。Facebookお友達申請大歓迎です。その他、建築や不動産、ビジネスモデル構築に関するコンテンツは公式サイトより。

記事一覧

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。