外壁塗装の適正価格はいくら?不動産投資物件の塗装費用相場

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不動産投資物件の利回りに影響するメンテナンス費用の中でも、外壁塗装は比較的大きな金額がかかる工事です。

建物の大きさや状態によっても変わりますが、百万円単位の費用が掛かることもあるため、適正価格を見極めて出費を抑えたいですよね。

そこで今回は、投資物件であるマンションやアパートの適正価格を知る方法や費用相場を詳しく解説します。余計なメンテナンスコストを無くし、利回りの良い不動産投資を目指しましょう。

 

外壁塗装の見積もりは注意が必要

外壁塗装の見積もりは注意が必要

アパートやマンションといった不動産投資物件の保守メンテナンスの中でも、外壁塗装の見積もりは特に注意が必要です。なぜ注意が必要なのか、主な原因を2つご紹介します。

 

塗装見積もりはいくらでも安くすることができる

外壁塗装の広告を見比べるとかなり安い業者を見かけることがあり、価格の差が激しいことが分かります。塗料という決まった形の無い材料を扱う外壁塗装の見積もりは、安くしようと思えばいくらでも価格を下げることができます。

アクリル・シリコン・セラミックなど、塗料のグレードによって価格はかなり変わってきます。健全な業者であればどのメーカーの材料をどれくらい使うかはっきりと明記していますが、悪質な業者はあいまいな表記で安い塗料を使う可能性も。

外壁塗装は下塗り・中塗り・上塗りと複数回塗りが基本です。見えなくなってしまうからと下塗りや中塗りに、余った塗料を混ぜて使う業者も居るようです。下塗りに違う色を使うと塗りたてではわかりませんが、数年後透けてきて発覚することがあります。

このように、外壁塗装は悪質な業者が手抜きを隠しやすいのが正直な現状です。

 

塗装工事は資格がなくてもできる

水道や電気工事は特定の資格が無いと施工できませんが、規模の小さい塗装工事は資格の保有が必須ではありません。極端な例を出すと、まったく塗装の経験がない人でも、道具さえそろえれば一棟塗装工事を請け負うことができるのです。

国家資格で最低レベルの技術が担保されているほかの業界と違い、職人による技術の差が大きいのが塗装業界。見積もりが極端に安い業者や、質問してもすぐに答えてもらえない業者には注意が必要です。

 

塗装工事の適正価格を見極めるコツ

塗装工事の適正価格を見極めるコツ

続いて、適正価格の塗装見積もりをとるための業者選びのコツをいくつかご紹介します。いま見積もり中の方や過去に頼んだ業者が高かったという方は、ぜひ参考にしてください。

 

アパートやマンション工事実績のある業者に依頼する

一般戸建てより塗装面積の大きいアパートやマンションの塗装工事は、必ず大きな建物の工事実績を持っている業者に依頼しましょう。

一戸建ての塗装がメインの小規模業者は、大きな物件の場合知り合いの業者を呼んで人手を確保することが多いです。塗装のための足場も外注することになるため、余計な中間マージンが発生します。

アパートやマンションも自社の職人と設備で対応できる業者を選び、余計な費用発生を防いで適正見積もりを取りましょう。

 

管理会社経由以外の相見積もりも取る

賃貸物件の場合、管理を委託している不動産会社から紹介された業者で塗装見積もりを取ることが多いと思います。普段から付き合いがあるため気兼ねしてしまう部分もありますが、こうしたケースもできれば相見積もりを取りましょう。

複数の業者を見比べることで、初めて見積もりが適正かどうか判断することができます。見積もり項目で工事の内容や細かさも知ることができますので、金額と併せて内容もしっかり比較検討しましょう。

 

地元の業者に依頼する

最近はインターネット広告で広範囲に営業する塗装店も少なくありませんが、基本的に塗装工事は地元の業者を選びましょう。

遠くの業者は諸経費としてガソリン代や移動時間が余計にかかるため、金額が高くなるか工事が手抜きになりやすいです。また、インターネットで全国の塗装工事を受注し、近くの下請け業者に依頼するだけの仲介業者も少なくありません。中間マージンが発生するため、仮に金額が安くても手抜き工事のリスクが高まります。

投資物件の近くで地元業者を探せば、余計な費用が掛からず地域の口コミもチェックすることができます。

 

「一式」見積もりの業者は避ける

建物の塗装工事では、養生・足場代・木部の塗装・下塗り・上塗りなどたくさんの作業が発生します。こうした作業をまとめて「一式〇万円」と見積もる業者がいますが、適正価格かどうか分かりづらいため避けた方が良いでしょう。

一式見積もりではどんな塗料を使うのか分かりませんし、しっかり記載が無いと作業をごまかされても分かりません。どんなに安くても、一式見積もりの業者は避けた方が無難です。

 

外壁塗装の費用相場

外壁塗装の費用相場

建物の外壁塗装は、サイディングやモルタルといった構造、劣化の状況、車両置き場や作業環境などによっても見積もりが大きく変わります。1物件ごとに状況が変わるため、費用の相場感をつかみにくいのが正直なところです。ここでは一般的な外壁塗装工事に含まれる費用の内訳と、塗料ごとの平米単価、同時に発生することが多い付帯工事を紹介します。

 

外壁塗装の費用内訳

まずは外壁塗装の見積もりを構成する、基本的な費用の内訳を見ていきましょう。

・養生:窓ガラスや給湯器など、塗装しない箇所を保護する作業と材料費です。

・洗浄:外壁についたホコリや汚れを高圧洗浄で落とし、塗料をしっかり定着させる準備です。

・ケレン/下地処理:ひび割れや塗装のはがれなどを処理し、下塗りできる状態にする作業です。

・コーキング処理:サイディングの場合、つなぎ目のシリコン材を詰め替える作業があります。

・下塗り:外壁と塗料を密着させるシーラーと呼ばれる材料を塗る1回目の塗装です。

・中塗り~上塗り:仕上げ材となる塗料を2回塗るのが基本的な外壁塗装の工程です。

・木部/鉄部塗装:それぞれ外壁とは違う、専用の塗料で塗装します。雨どいや雨戸なども状況によって塗装する場合があります。

業者によって表示の方法が違い、足場と養生、洗浄と下地処理がセットになっているケースなどもあります。基本的にはどの工程も塗装工事で必要なため、項目が欠けている場合雑な見積もりの可能性がありますので注意しましょう。

 

外壁塗装の平米単価相場

続いてメインである塗装作業・塗料の費用相場をチェックしましょう。ただし、同じ素材の塗料でも複数のグレードがあるためあくまで目安と考えてください。外壁の状況や広さによっても単価は変わる可能性がありますが、見積もりと相場と大幅に差がある場合は、よく確認しましょう。

・下塗り(シーラー)500~1,000円/㎡

・アクリル系塗料:1,000~1,200円/㎡

・ウレタン系塗料:1,500~2,000円/㎡

・シリコン系塗料:2,000~3,500円/㎡

・フッ素系塗料:3,000~4,500円/㎡

・遮熱塗料:4,000~5,000円/㎡

見積もりを確認する際は上記の平米単価相場も参考にしつつ、必ず塗料のメーカーと商品名も確認してください。はっきりと使う塗料が明記していないと、あとでトラブルになりかねませんので、見積もり担当者に確認しましょう。

 

外壁塗装と同時にかかる付帯工事

ここまでご紹介したのは外壁塗装の基本的な費用項目と相場です。建物の立地や劣化の状況によっては、付帯工事が発生することも少なくありません。例えば作業車の駐車スペースが必要になる場合は諸経費に計上される場合がありますし、雨漏れの補修があると大工や左官作業が発生することもあります。

こうした付帯工事は物件ごとに変わりますので、1項目ごとにどんな作業をするのかしっかり確認しましょう。複数の業者を相見積もりすれば、見積もりの漏れや必要ない作業を見極めることができます。

 

不動産物件の外壁塗装をするメリット

不動産物件の外壁塗装をするメリット

自分が住んでいない不動産物件のメンテナンスはつい後回しにしがちですが、外壁塗装をすることによるメリットは少なくありません。塗装することで回避できるリスクやメリットについて解説します。

 

借り手が付きやすくなる

賃貸物件の選定は間取りや室内の状態も重要ですが、建物の外観も借り手の心理に大きな影響を与えます。同じような物件同士なら、きれいなアパートやマンションの方がいいですよね。塗装することで安心感につながり、借り手が付きやすくなって空室率が減れば、結果的に利回りも良くなります。

 

建物の耐用年数が伸びる

コンクリート造・木造・鉄骨造など構造によって耐用年数は違いますが、外壁塗装することで建物自体の物理的な耐用年数を伸ばすことができます。投資物件の耐用年数が伸びれば、その分家賃収入を長く得ることができます。1物件の収益総額の増加が期待できますので、利益率の面で見ても外壁塗装するメリットは大きいといえるでしょう。

 

雨漏れなどのトラブル防止

建物をコーティングする役割も持つ外壁塗装工事は、台風や大雨のときの雨漏れ防止にもつながります。雨漏れは部屋を借りている方に迷惑をかけるだけでなく、信頼を失って解約に至る可能性もゼロではありません。

また、雨漏れで建物内に水分が侵入すると、設備や電気配線のショートにつながる恐れもあります。塗装で雨漏れ防止することは、余計な補修費用や火災といったトラブルの発生抑制にも役立ちます。

 

外壁塗装の適正タイミングのチェック方法

外壁塗装の適正タイミングのチェック方法

建物の外壁は目に見える部分ですが、塗装のタイミング判断が難しい部分でもあります。毎日少しずつ劣化する塗装面は、目に見える大きな変化がないためです。適正なタイミングを見極めるための目安と、簡単にできるセルフチェックをご紹介します。

 

外壁塗装のタイミング

一般的な建物の外壁塗装は10~15年に一度が適正なタイミングと言われています。ただしこれはあくまで目安であり、新築時や前回塗装時に使用した塗料のグレードや建物の状況によっても大きく変わります。

例えば木造の建物で外壁にサイディングを使用している場合、新品状態の塗装はあまりグレードが高くありません。紫外線や雨風による劣化が発生しやすいため、早めのタイミングで塗装工事が必要になることがあります。

地震や台風などの揺れで、外壁に細かいヒビが発生することもあります。建物の構造や地盤の状況で揺れやすい建物はヒビが多く発生することもあり、早めの塗装が望ましいといえるでしょう。

このように建物によって適切な塗装タイミングは異なりますが、最低でも10年に一度は点検したいところです。可能であれば、さらに早いタイミングで定期点検すると、適正なタイミングを見極めやすくなります。

 

自分でできる塗装状態チェック

上でお伝えしたように、トラブルを防ぎ建物の状態を保つためには細かな点検が望ましいですが、プロに見てもらう機会はなかなか無いものです。

そこでおすすめなのは、自分でチェックできるようにして、なるべく頻繁にセルフチェックする取り組みです。

それほど高度なことは必要ありません。基本的には建物の周囲をぐるりと回って目視し、ヒビや変色といった目に見えるトラブルがあったらプロに依頼しましょう。早めにトラブルを見つけて対処することで、補修費用を抑えることができます。塗装すべきタイミングのサインとなる状態をいくつかピックアップします。

  • チョーキング

外壁を手でこすって粉が付く状態は「チョーキング(白亜化)」と呼ばれ、塗膜が劣化している目安です。特に南~西側の日当たりが良い壁面は発生しやすいため、よくチェックしてみましょう。チョーキングはほとんどの外壁で起こる現象ですからあわてることはありませんが、塗装の適正タイミングのサインとしてチェックしてみましょう。

  • ひび割れ

サイディング・モルタル・プレキャストコンクリートどの外壁構造でも、細かなひび割れが発生することがあります。「ヘアークラック」と呼ばれる細かなひび割れは重大な劣化ではありませんが、じわじわ水が染み込む場合もあり塗装タイミングの目安になります。1mmを超える大きなひび割れを見つけたら、なるべく早めにプロに点検を依頼するのが良いでしょう。

  • 雨漏れ

ひび割れや塗膜の劣化で水が染み込むと、濡れたような跡が変色となって現れることがあります。雨漏れは建物の内部構造にダメージを与え、補修費用を増加させる原因となるため、見つけ次第プロの点検を依頼しましょう。変色に加えてサイディングやモルタルが膨らんでいる場合、内部の柱や鉄筋が腐食しているサインの場合も。放っておくとどんどん進行して被害が大きくなる、緊急度の高いサインです。

 

外壁塗装の費用を抑えるテクニック

外壁塗装の費用を抑えるテクニック

新たな機能が増える設備投資ではなく「原状回復」となる外壁塗装は、なるべく費用を抑えたいのが正直なところですよね。

冒頭でもお伝えした通りむやみに安い見積もりはかえって危険ですが、工事品質を維持ながら費用を抑えるテクニックはあります。ぜひ取り入れて、品質と価格のバランスが取れた塗装見積もりに役立ててください。

 

補助金や火災保険を活用する

外壁塗装の見積もり側ではなく、国や自治体が運用している補助金や、火災保険といった制度を利用して費用を抑えるテクニックです。

不動産投資物件が所在する自治体によっては、塗装工事に対する補助金や助成金を用意しているケースがあります。特定の塗料を使ったり、遮熱塗料を使って建物の断熱性能を高めたりすると、工事金額の一部を補助してくれるケースが多いです。基本的に返済の義務がなく、補助金額の分だけ費用負担が軽くなりますので積極的に利用しましょう。

建物が火災保険に加入している場合、延焼以外の自然災害による被害でも保険申請が通る場合があります。例えば台風被害で雨漏れが発生した場合、復旧のための補修や外壁塗装に保険金が下りる可能性も。こちらも利用することにリスクやデメリットはありませんから、積極的に活用できるか検討してみましょう。

 

無理のない交渉をする

外壁に限らず建築工事の見積もりは値引き交渉する方が少なくありませんが、ただ「安くして」と無理に交渉するのは危険です。仮に値引きに成功しても、業者は減った分の利益を確保しなければいけません。スケジュールの短縮による手抜きや、単価が安く腕の悪い職人を手配する可能性もあります。

価格交渉する際は、相手の業者のことも考えて無理のない交渉をしましょう。例えばスケジュールに余裕を持って、他の現場の合間や空いたタイミングで施工してもらえば値引きしやすくなるでしょう。アパートの周りを片付けて工期短縮に協力するのも有効です。

 

中間マージンの無い業者に直接発注

工事品質を保ちつつ費用を抑える方法としては、中間マージンが発生しない業者を選ぶことも大切です。

例えば内装や水回りから外壁塗装まで幅広く対応する総合リフォーム店は、塗装職人を抱えておらず下請けに依頼するケースが多いです。塗装と内装など複数の工事を同時に依頼するならメリットはありますが、外壁塗装だけなら塗装専門店に依頼する方が費用を抑えやすいでしょう。

 

まとめ

まとめ

今回はアパートやマンションといった不動産投資物件の外壁塗装の適正価格についてまとめました。目に見える設備交換と違い、工事品質が分かりにくい外壁塗装の見積もりは適正価格の判断が難しいです。

今回ご紹介した費用目安や業者選定のコツを駆使して、価格と品質のバランスが取れた業者を選びましょう。補助金や火災保険の活用、交渉テクニックや中間マージンの無い業者への依頼といった見積もりを抑えるテクニックも活用してみてください。

大切な資産である不動産物件をしっかりメンテナンスして、トラブルなく利回りの良い運用をしていきましょう。

【記事監修】 山田 博保

株式会社アーキバンク代表取締役/一級建築士
建築業界での経験を活かした不動産コンサルティング及び建築、不動産に関わるWEBメディアを複数運営。Facebookお友達申請大歓迎です。その他、建築や不動産、ビジネスモデル構築に関するコンテンツは公式サイトより。

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