不動産投資で賃貸アパートを建築!収益性を上げるポイントを徹底解説

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不動産投資でアパートを建築する際に、収益性を上げるポイントを意識することは非常に重要です。漠然と建築してしまうと、家賃収入が少なく支出は多いという赤字物件に陥る恐れがあります。

そこで今回は賃貸アパートの収益性を上げるために、建築時に重視したいポイントについてお伝えしたいと思います。

特に大切な建築費を抑えることと、運営中の出費を抑える点について詳しく解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

収益性を上げる2つのポイント

収益性を上げるためには第一に、初期投資であるアパートの建築費を抑えることが大切です。

建築費が高額になれば初期投資を回収する時期が遅くなり、売却までの収益がプラスになる期間が短くなってしまうからです。

銀行融資を利用する方は借入金額が増えることになり、毎月の収益が下がるだけでなく利息の支払いも多くなってしまいます。

また建築が終わり賃貸物件として運営を始めてからの出費を抑えることも、収益性を上げるためには重要になります。せっかく満室になり家賃収入が十分にあっても、無駄な支出が多ければ収益性は下がってしまいます。

まずは基礎的な建築費の内訳とその削減方法をお伝えし、次に運営後にかかる費用と抑え方を解説していきたいと思います。

 

建築費の内訳

建築費の内訳

建築費の見積りを見たときにどのような内訳項目があるかを知らないと、無駄な部分がないか確かめられず費用を削減することができません。

建物の見積りには主に①本体工事②付帯工事③諸費用の項目があり、この3つを合計したものが支払う工事代金になります。この3つについて詳しく解説します。

 

本体工事

本体工事は構造体や床や壁、窓などを含めた建物本体部分で、良く耳にする坪単価を面積にかけて算出されるのがこの本体工事の金額です。

 

付帯工事

付帯工事は本体工事とは別に計上されるもので、現場ごとの条件や依頼内容によって金額が異なります。本体工事と同時に行われる工事としては、主に以下のような項目があります。

・設備工事

・給排水工事

・造成工事

・地盤改良工事

・駐車場/外構工事

 

諸費用

諸費用は様々な手続きや申請や税金、保険料などで必要になる費用です。特に設計料は依頼の仕方によって高額になることもあるため、その仕組みを理解しておくことをおすすめします。

・設計料

・登記費用

・火災保険/地震保険

・不動産取得税

・融資諸費用

・入居者募集費用

これら内訳の詳細については以下の記事で詳しく解説をしていますので、より理解を深めたい方はぜひご覧になってください。

「不動産投資で賃貸物件の建築費相場と内訳を知り高利回りを実現する」

http://fudosan-archi.com/2021/01/06/rental-property-construction-cost-market/

 

建物費用を抑えるポイント

見積りの見方を理解していただいた上で、実際に見積りを取るときの費用を抑えるポイントを把握しておきましょう。

 

費用相場を知り割高を避ける

費用相場を知り割高を避ける

建築費の相場を知ることも資金を無駄に使わないようにするために大切であり、建築経験の無い方が相場を確かめずに計画を進めるのは非常に危険です。

割高な見積りを見抜けないだけでなく、安すぎて粗悪な建物になってしまう恐れもあります。建物の工法別の坪単価相場は以下のようになっていますので、必ず確かめながら見積りを見たり業者と交渉したりするようにしましょう。

工法 平均坪単価
木造 50〜70万円
軽量鉄骨造 60〜80万円
鉄筋コンクリート造 80〜100万円

それぞれの工法の特徴やどんな物件の建物に向いているかなどを、以下の記事でお伝えしていますので参考にぜひお読みください。

「不動産投資の賃貸アパート建築費!適正価格と安く抑える4つの方法」

https://fudosan-archi.com/2020/09/23/reasonable-price-and-low-price/

 

複数社を比較検討する

見積りの項目と費用の相場を知ることができたら、その上で複数社の見積りを取り比較しましょう。

建築に限らず複数の見積りを比べることは費用を抑える基本で、金額を交渉したり削減する項目を検討できたりと多くのメリットがあります。

さらに前述の坪単価相場のような大まかな金額ではなく、自身の計画する建物の具体的な相場も見えてきます。

あまりに多く見積りを集めても比較や交渉が大変になってしまうので、まずは2〜3社の見積りを取り比べるようにしてみましょう。

 

建築依頼先で価格は変わる

建築依頼先で価格は変わる

賃貸建物を依頼する業者は主に住居の建築を行うハウスメーカーと、多様な建物を手がける建築会社に分かれます。

ハウスメーカーは多くの建築実績を持ち、プランや資材を規格化することでローコストを実現しています。一定の品質も確保されており、提案に任せつつ費用を抑えたい方に向いています。

建築会社はどちらかというと細かな要望に応じやすく、オリジナリティのある物件にしたい場合などに最適です。

その分費用がかかり打ち合わせも多くなるため、ある程度の予算と建築経験が求められます。

それぞれに費用や特徴が異なるため、計画する物件の方向性や自身の取り組み方を考慮した上で選ぶようにしましょう。

 

削りすぎてはいけない建築部分

建築費を抑えることは賃貸物件の収益性を上げるために効果的ですが、本来かけるべき部分を削減してしまうと逆効果になってしまいます。

そこで物件の価値を下げてしまわないように注意していただきたい、3つのポイントを紹介します。

 

需要に合った建物にする

需要に合った建物にする

地域の賃貸需要を満たし入居者に選ばれる物件を建築することは、空室を回避し収益性を上げるために大切です。

たとえば部屋のタイプを広めの家族向けファミリータイプにすれば、単身者用のワンルームで作るよりも部屋数が少なくなり、キッチンや浴室といった設備も少なく済むため建築費は抑えられます。

しかしファミリータイプは需要の少ない地域が多く、しかも子供の成長とともに手狭になり転居しやすいというリスクがあります。このため需要が安定していて入居決定が早いワンルームタイプの方が、空室を避けやすいのです。

単に建築費が抑えられるからと言って需要に合わない建物にしてしまうと、収益が上がらないばかりか赤字に転落する可能性もあります。

建物のプランや仕様は、需要にしっかりマッチしたものを計画するようにしましょう。

 

耐久性の高い建物にする

耐久性の高い建物にする

初期投資を抑えたいからとあまりにも安い外壁材や内装材を使えば、早期に劣化し補修費がかかり収益性を下げることになります。

たとえば外壁の塗料は値段と耐久性が比例しており、安価なものは10年程度で撥水性が失われ汚れや細かなひび割れが目立つようになります。

また内装の壁紙や床材も同様で、新築時は大差無いように見えますが安価なものは10年を過ぎるころに日焼けや割れが目立つようになります。

これらはすぐに建物に悪影響が出たり入居者に迷惑をかけたりするものではありませんが、見栄えが悪ければ新たな入居者が集まりにくくなり、既存の入居者に出ていかれる原因にもなりかねません。

極端に安価な材料で建築をすると後で修繕費かかるようになり、収益性が下がることもあるため注意をしましょう。

 

イメージに影響する部分はコストをかける

イメージに影響する部分はコストをかける

入居を検討する方が内見に訪れたとき建物のイメージが良くなるように、見栄えに影響する部分はしっかりコストをかけるようにしましょう。特に新築の場合は建物のエントランス周りの作りなどが、物件の印象を大きく左右します。

部屋などに他の物件とは違った付加価値があるなら見栄えは二の次で良いかもしれません。しかし部屋は平均的なものにしてエントランスなどにコストをかけた方が、出費を抑えながら差別化しやすくなります。

品の良い床タイルを貼ったり安価なものでも良いので防犯カメラを付けたりするだけでも、建物の印象は大変良くなります。

新築を検討する方はきれいな物件を求めている訳であり、内見のときに良いイメージを持ってもらえるかはとても重要です。

建物のイメージに影響する部分は極端に安価なものを選ばず、しっかりとコストをかけるようにしましょう。

 

運営後の出費を抑える

建物を所有している間の出費を抑えることも、収益性を上げるためには大切なポイントです。

賃貸物件で定期的にかかる出費には以下のようなものがあります。

・固定資産税/都市計画税

・火災保険料/地震保険料

・入居者募集費用

・建物修繕費

・管理委託料

この中で建築時に抑えられるのが、入居者募集の費用、建物修繕費、管理委託料です。

 

入居者募集費用の抑え方

入居者募集費用の抑え方

入居者募集費用は運営を始めてから空室が出た際に、新たな入居者を仲介会社に探してもらうための費用です。

主にチラシ作成や広告費、物件情報サイトへの掲載費などですが、この費用自体を削減すると空室が埋まりにくくなるため注意が必要です。

そこで注目したいのが、この入居者募集は仲介会社によってその力量が異なる点です。

優れた集客力を持った仲介会社に任せられれば空室期間を短くでき、結果的に入居者募集費用を抑えられるのです。

集客力のある仲介会社を探す方法は以下の記事で詳しく解説しています。その他の手数料を安くする方法も紹介していますので、ぜひご覧ください。

「不動産投資で賃貸管理会社の手数料を安く抑える5つの方法」

http://fudosan-archi.com/2020/12/06/keep-it-cheap/

 

建物修繕費の抑え方

建物修繕費の抑え方

建物の修繕は1棟規模では非常に高額になるため、できるだけ出費を抑えたい部分です。

特に高額になるのは外壁塗装や屋根防水工事ですが、費用を抑える方法の一つは既にお伝えしたように建築時に耐久性の高い材料を使い劣化を遅らせることです。

もう一つは仲介業者からの紹介される工事業者だけでなく、自分でも補修工事ができる工事業者を探して比較するという方法もあります。

仲介業者から紹介された業者の見積りにはマージンが乗っているため、通常よりも割高なことが一般的です。

自分で依頼するには多少の建築知識が必要になりますが、新築時から情報を集めておけばいずれ直接やり取りができるようになります。

物件規模が大きいほど修繕費は高額になるため、自分でできることを増やしていくと費用の削減効果は大きくなるでしょう。

 

管理委託料

管理委託料

賃貸物件の管理を管理会社へ委託する費用が、管理委託料です。

具体的には家賃集金や管理、クレーム処理、入退去の手続きや立会などの入居者対応と、物件の日常的な修理や清掃、点検、定期的な大規模修繕、リフォームなどの建物維持管理の2つです。

相場費用は家賃の5〜8%で1軒あたりは高額ではありませんが、継続して掛かり続けるため特に部屋数のある1棟物件では少しでも安くできないか考えたい費用です。

具体的には複数社から見積りを取って比較したり、物件の清掃など自分でできることを検討してみたりするなどがあります。

また管理会社が行っている業務を理解し、料金に対して十分な仕事が行われているかチェックすることも大切です。

他にも管理委託料を削減する方法を以下の記事で詳しく紹介していますので、こちらも参考にしてみて下さい。

「不動産投資で賃貸管理会社の手数料を安く抑える5つの方法」

http://fudosan-archi.com/2020/12/06/keep-it-cheap/

 

利回りを理解し収益を見通す

物件の収益性を考えるときに無視できないのが利回りで、年間の家賃収入を物件の購入価格で割った数値です。

数字が高いほど収益性が高い物件と言え、現在の運営状況を評価するだけでなく中長期の収支計画を立てる上でも役立ちます。

 

利回りの種類を理解する

利回りの種類を理解する

利回りはいくつか種類があり計算に含める条件によって数値が異なり、それぞれ参考にする意味も違ってきますので役割をしっかりと把握しましょう。

①想定利回り

想定利回り=満室の年間家賃収入÷物件価格×100

物件が満室状態での収益性を表すもので、新築時の見通しを立てる際に使います。

②表面利回り

表面利回り=現状の年間家賃収入÷物件価格×100

物件の現状の年間家賃収入で計算をするもので、空室がある状態での収益性を計ります。

③実質利回り

実質利回り=(現状の年間家賃収入-年間支出額)÷物件価格×100

現状の入居状態の家賃収入から、「5:運営後の出費を抑える」でお伝えしたような経費を差し引いた収支で計算するもので、より現実的な収益を計ることができます。

 

利回りを向上させるポイントを押さえる

利回りを高めるにはここまでにお話しした「建築費を抑える」と「運営中の出費を抑える」も有効ですが、それ以外に次の2つの点に注意していただくとさらなる向上が期待できます。

 

適切な家賃に設定する

利回り向上で特に配慮しておきたいのが、建築して最初の家賃設定です。

新築直後は人気も集まりやすく強気の家賃設定も可能ですが、時間が経ち新鮮味が薄れたり周囲に競合が増えたりしたときに、相場とあまりにかけ離れた家賃ではまたたく間に空室が増える恐れがあります。

家賃を設定する際は近隣の家賃相場をしっかりと把握し、新築のアドバンテージが過ぎても入居者を確保できるような適切な家賃設定をお勧めします。

 

リノベーションを積極的に検討する

リノベーションを積極的に検討する

不動産投資で1棟物件を初めて建築される方の中には、建築が終わると安心して運営を管理会社にお任せにしてしまう方もいます。

しかし建物は年数とともに劣化し、地域の需要も変化し入居率が落ちてしまう可能性があります。

そこで将来的には建物状態やニーズに合わせて、リノベーションを積極的に検討しましょう。

リノベーションは建物を真新しい状態にするだけでなく、内装を変えたり新たな設備を加えたりすることで入居率を改善する効果があります。

もちろん実施するのは新築してから当面先になりますが、費用がある程度かかるため長期的な運営計画の中に盛り込んでおくと無理なく実行できます。

利回り改善に大きな効果が期待できますので、ぜひ管理会社やリノベーションに明るいコンサルタントなどと相談しながら計画を立ててみましょう。

下の記事で利回りを高めるためのリノベーションについて詳しく解説しています。

関心のある方はぜひご覧になってください。

不動産投資でリノベーション物件がなぜ高利回りに?5つの理由を公開

https://fudosan-archi.com/2020/07/04/renovation-property/

 

まとめ

まとめ

不動産投資で賃貸アパートを建てるには、収益性を意識した建築が不可欠です。漠然と建ててしまうと割高な建築費になったり、運営を始めてからの出費が増えてしまったりして収益性を大きく下げてしまいます。

また建物自体も需要に合ったものにして耐久性の高い材料を使うなど、長期的な視点に立った配慮もすることで収益性を高められます。かけるべき部分にはしっかりとコストをかけ、収益性の高い物件になるよう建築しましょう。

【記事監修】 山田 博保

株式会社アーキバンク代表取締役/一級建築士
建築業界での経験を活かした不動産コンサルティング及び建築、不動産に関わるWEBメディアを複数運営。Facebookお友達申請大歓迎です。その他、建築や不動産、ビジネスモデル構築に関するコンテンツは公式サイトより。

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