不動産投資の賃貸物件購入!契約から引き渡しの流れ完全マニュアル

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不動産投資の賃貸物件購入の契約から引き渡しまでの流れを把握することは、条件の良い物件を確実に手に入れるために必須の知識です

手続きをスピーディーに進められることで、強引な買い手の割り込みや売主、物件トラブルによる好物件の買い逃しを防げるからです。

そこで今回は賃貸物件購入の基本的な流れと、それぞれの注意点について詳細に解説をします。

特にスピードアップについて重点的にお伝えしていますので、ぜひ確実な取引成立のために役立ててください。

 

流れを把握してリスクを減らそう

 

不動産投資の取引の流れをしっかりと把握しておくことは、確実に取引を成立させることはもちろん不測の事態を防ぐ意味でも重要になります。

投資目的に限らないが本当に条件の良い物件は、話が進んでいても強引に割り込んでくる者がいたり、売ると聞いた売主の親族などが横槍を入れてきたりして、一日で話が変わってしまうことが決して珍しくはありません

また売主が高齢で倒れてしまったり建物で火災があったりなど、契約が済んでも物件の入手が滞る可能性はゼロではありません

そのためこの後ご紹介する各ステップをしっかりと把握し、様々な準備を早めに行いながらテンポよく短時間で進めていく必要があります。

物件が絞れたなら以降の取引を成功させる鍵は、スピードにかかっていることを認識してください

 

買付申込書の記入

契約に向けてまず行うのが買付申込書(以下買付)の記入で、仲介業者を通じて売主に手渡される購入の意思表示の書類です。

書式は仲介業者が持つものになりますが一般的な記入事項は以下です。

・物件名称(広告上の名称など)

・物件形態(賃貸マンションなど)

・所在地

・希望購入額(希望の値引き後の額)

・手付金額

・有効期限

・買主の住所・氏名・認印

また支払い方法(ローンや現金)や後述するローン特約、建物や敷地で付加したい条件などを加える場合もあります。

通常は先着順になるのでスキャンしたものをメールしたりFAXしたりで早めに送り、後日原本を手渡すことが多いです。

ただし早く届いたとしてもどの希望者に販売するかは売主次第であり、買付申込書に法的な効果は無い点は注意してください。

 

必ず諸費用を確認する

買付を出す際に確認しておきたいのが諸費用です。

仲介業者の見積もりと必要なら銀行の諸費用も漏れなく把握をしておきましょう。

主な諸費用は以下の通りです。

  • 仲介業者(売主)

・仲介手数料

・所有権移転登記費用

・固定資産前・都市計画税(対象地域の場合)の日割り分

・印紙代(売買契約書用)

・修繕積立金や管理費が支払い済みの場合の日割り分

  • 銀行

・事務手数料

・抵当権設定登記費用

・印紙代(金銭消費貸借契約書用)

・保証料(金利上乗せや無料の融資もあり)

・団体信用生命保険料(     〃     )

・火災保険料

この他にも細かな諸費用がかかることもありますが、仲介業者によっては仲介手数料や登記費用など主要なものしか買付の段階では説明しない者もいます。

また固定資産税の日割りや登記費用は仲介業者自身も調べないとわからないため、契約直前に正確な数字が出てくることも珍しくありません。

さらに銀行諸費用は買主自身が銀行に問い合わせて確かめる必要があります。

いずれも積み重なれば大きな額になり投資計画に影響するため、買付を出す前に把握をしておきましょう

 

キャンセルは慎重に

買付を出した後に様々な事情で取り消しをしたり、仲介業者を変更したりすることは、法律的に問題はありません。

ただし売主は買付が入ったことで他の商談を断り売却の機会を逃しているため、キャンセルの印象は非常に悪いです

もし再度購入したいとなっても拒否される可能性もあるため、キャンセルは極力避けるようにし、とりあえず押さえるという感覚で買付を出すのは避けるべきです

また仲介業者の印象も悪く別の売主物件を探すにしても、その後に非協力的になることは十分にあり得ます。

しっかりと検討して購入を前提に買付を出すようにし、万が一のキャンセルは慎重に判断するようにしましょう。

 

売渡承諾書の受け取り

買付内容での売買を売主が承諾したことを示すのが売渡承諾書です。

条件に変更が付け加えられることもありますが、基本的には売買に合意する意思を示す書類となります。

ただし必ず売主から発行されるものでもなく、送った買付に売主が署名捺印したものが送られてきたり、仲介業者経由で承諾したことを口頭で伝えられたりすることも多いです。

またこれも買付と同様に法的な効力はなく、後日考えが変わって売買が白紙になることもあり得るため、あくまで現在はそう考えているという程度に捉えておいた方が安全でしょう。

 

銀行融資の審査申し込み

買付内容を売主が承諾したら銀行融資を利用して購入する方は、銀行に希望額と借入期間で融資が受けられるかの、事前審査(仮審査とも呼ばれる)を申し込みます。

まだ借りる訳ではないが買主の属性や物件の条件によって融資の可否が変わるため、売買を先に進めるために必要です。

売主も支払いのあてがないと取引はできないので、契約にはこの事前審査で融資の承認が下りていることが条件になります

ただしこの段階では表面的な条件での審査であり、事前審査で融資が承認になっていても契約後に行う正式な融資申し込みで否認されることもあるため、この後の項で紹介するローン特約を付けた契約をすることになります

 

迅速な審査が重要

銀行の事前審査は極力迅速に行うことが重要です。

特に好物件の場合は買付が受理されていてもあくまで口約束でしかなく、さらに好条件での購入を提示されて売主の気が変わってしまう恐れもあるからです

事前審査を素早く進めるためのポイントは、まず買付を出す気持ちが固まった段階で銀行に融資相談をしておくことです

審査の流れや必要書類を教えてくれるますので事前に揃えておけば、買付が受理された時点ですぐに審査に取り掛かれます。

また審査は概ね1〜2週間程度かかりますが、複数の銀行に並行して審査を依頼しておくのもスピードアップには効果的で、どこか一行でも承認の回答が得られればその段階で契約へと動き出せます

さらに一行で非承認になっても他行で承認になることは十分にありますので、並行して審査をしていれば非承認になり他行で初めから審査するといった時間のロスを防ぐこともできます

 

重要事項説明書を事前に受け取る

契約までに物件の条件や状態、制限などを詳細に記した「重要事項説明書」の説明を受けます。

これは物件について重要な事柄を事前に知る機会であるため、十分に理解をする必要がありますが、賃貸でしかも中古となるとその事項は非常に多岐に渡り、説明を聞くだけで数時間かかることもあります。

これを契約の当日に行おうとする仲介業者も多いですが、確認不足を防ぐためにぜひ事前に写しを送ってもらい、十分に目を通しておくことをお勧めします

当日では不明な点が出てきても質問できなかったり十分理解できなかったりする可能性があり、あやふやなまま契約してしまえばトラブルの元になるからです

事前に不明点を質問したり調べたりして解決できれば、当日の契約がスムーズに進むだけでなく、納得のいく取引にもなるためぜひお勧めします。

 

抵当権の確認

購入する物件を担保に元の所有者が銀行などの融資を受けていると、物件の権利に抵当権が設定されます。

これは銀行が融資を回収出来なかった場合に物件を差し押さえる権利で、購入前に抹消しておかないと所有者が変わっても付いてくることになってしまいます

このため購入時には登記事項証明書等でその有無を確かめ、もし設定されているようであれば引き渡しまでに抹消されることを仲介業者に確認し、重要事項にその条件を必ず明記してもらうようにしましょう。

もし売買金額よりも債務額の方が大きいならその返済が確実か質問をし、不明瞭な返事なら必要以上の手付金を入れないなど、慎重に取引を進めるようにしましょう。

 

諸費用の最終確認

重要事項説明書を作成してもらう段階まできたら、改めて諸費用を含めた見積もりも一緒に作ってもらいましょう。

ここまでくれば次は契約をするだけなので仲介業者も細かく費用を出してくるはずですが、中には契約当日と考えている者もいるため、急かして事前に送ってもらい他に費用がかからないか念を押しておきましょう

残念だが仲介営業は雑な者もいる世界であり、そのいい加減さでトラブルになることが少なくありません。

思わぬ諸費用の出現で好物件の買い逃しなどにならぬよう念入りに確認をしてください

 

ローン特約の確認

契約前に行った銀行の事前審査で融資可の返答をもらっていても、契約後の融資申し込みで行われる本審査で不可になることがあります

その際にロスなく契約を白紙撤回できるようするのが契約のローン特約です。

これは融資が受けられず契約破棄になった場合に、支払った手付金を全額返金してもらう特約で、この特約が無いと買主都合の解約として手付金は返還されないことになります

通常は重要事項説明書の作成前に確認をされますが、改めて記載されているか確かめてください。

 

売買契約を結ぶ

契約は仲介業者の事務所で行うことが多く、必要なものは印鑑と手付金、印紙(印紙代の場合もあり)、相手によっては身分証明書を求められる場合もあります。

印鑑は認印でも問題ないですが、これも相手によっては実印を希望することもありますので、事前にしっかりと確認しましょう。

時間は1時間もかからないくらいで、売主は仲介業者に一任で同席しない場合も珍しくはありません。

そのため契約書の売主の署名捺印は予め行なわれているか、こちらが署名捺印してから売主に渡して署名捺印され、後日に買主分が渡されることもあります。

この場合は必ず写しをもらってから売主に渡るようにしましょう

 

手付金の渡し方と相場

手付金は相場としては10%が多いですが100万円などきりの良い金額のこともあります。

これは売主によるので仲介業者に事前に確認し手持ち金で用意をしておきます

契約当日に仲介業者に手渡すことが多いですが、額によっては振込のケースもあるのでこちらも事前に確認しましょう。

 

銀行融資の申し込み

契約を結んだら速やかに事前審査を行った銀行に融資の申し込みをします。

通常は申し込みから本審査が行なわれ、資金実行の準備ができるまで2週間から1ヶ月のため、契約書に記載した決済の有効期限と照らし合わせながら、迅速に動いていく必要があります。

用意するものは非常に多く、しかも煩雑なため、早めに銀行に確認してリスト化し準備するようにしましょう。

準備する代表的なもの

・本人確認書類

・実印

・住民票

・印鑑証明書

・健康保険証

・源泉徴収票(前年分)

・給与証明書

・個人事業主の場合

・納税証明書

・勤務先概要

・職歴書

・既存ローンの返済計画書

・確定申告書(三期分)

・物件概要書

・売買契約書

・重要事項説明書

・建物・土地謄本

・公図

・建物図面(平面図、立面図、配置図、間取り図

・建築確認済証

・レントロール(家賃表)

この他にも用意するものはあり得るため必ず銀行に確認しましょう。

 

金銭消費貸借契約

銀行の本審査が終わり正式に融資承認が下りると連絡があり、銀行の店頭で金銭消費貸借契約を行います。

買主のみで赴き、身分証明書や実印を持参しますが、銀行によっては印鑑登録証明書や住民票を再度求められる場合もあります。

 

決済日時の調整と準備

銀行の本審査が通った段階で資金実行の可能な日を銀行に教えてもらい、それを仲介業者に伝えて決済日の調整をしてもらいます。

決済には買主、売主、仲介業者、司法書士、融資担当が銀行に集まるため、それぞれの都合が合わないとかなり先の日程になってしまうため、これも早めに連絡をしましょう。

振込が当日中に確認できる時間内に全ての手続きを完了させるため、平日の午前中で早めの時間から行うのが一般的です

決済自体は1時間半程度ですが、何らかの不備があると数時間待たされることもありますので、本業がある方は1日休みを取っておいた方が安全でしょう

 

物件最終確認

買付前に物件の現地確認をしていたとしても、時間が経っているようならこの段階で最終確認をするのも良いでしょう。

時間が経っていると物件が変化していることもあります、いざ代金を支払うという直前では見る目も違ってきます。

また新たな空室が出ているようならその中を見せてもらう事や、一棟購入で土地込の売買であれば境界杭などを目で確認するのもお勧めです

手堅い業者であれば先方から提案してくることもありますので、現地へ赴くことが可能なら積極的に確認しましょう。

 

決済

物件代金の残額を相手方に支払うのが決済で、融資を受けるならその銀行の一室を借りて行い、現金購入なら自分の預金のある銀行か仲介業者の取引銀行となります。

当日は全員が揃ったら司法書士が必要書類の確認を行い、問題がなければ融資が実行され一旦買主の口座に入り、すぐに売主に振り込まれます

売主側の口座に着金が確認される数十分の間に、仲介手数料や固定資産税の日割りなど諸費用の支払いを行いますが、手持ちではなく費用を融資から払うなら銀行の融資担当に手続きしてもらいます。

さらに所有権移転の手続き用の書類に署名捺印をするなどもあり意外と忙しいです。

それらが終わり売主の口座に着金が確認されれば決済は終了となります。

手際よく進めば1時間半前後でしょう。

 

引き渡し

決済が完了後そのまま引き渡しが行われます。

受け取るも主なものは以下の通りです。

・鍵

※マンションなど区分所有であれば玄関や集合ポスト、個別の点検ボックスなど。

※一棟購入では建物エントランスや集合設備ボックスの鍵など。

・管理規約

・付帯設備の説明書や保証書

・建築確認申請(一棟購入の場合)

・物件購入時のパンフレット

・一棟購入で入居者がいる場合は賃貸借契約書

ただし物件ごとに受け取るものは変わるため、事前に仲介業者にリストを作ってもらい確認しながら受け取ると漏れを防げます

 

登記

決済にて売主・買主や銀行から預かった書類をもとに、司法書士が所有権移転登記と銀行融資で購入した場合は抵当権設定登記を行います。

通常2週間前後の作業ですが、年末や法務局が混み合っている時期は1ヶ月程度かかることもあります

登記が完了すると登記識別情報通知書を司法書士から郵送や手渡しで受け取り、これで取引はひとまず終了となります。

ちなみに登記識別情報通知書とは物件の登記名義人であることを識別するために本人にのみ伝えられる12桁の符号が書かれたA4の一枚の紙です。

以前行なわれていた権利証制度は既に廃止されていますが、仲介業者や売主、銀行間では呼びやすいため、この登記識別情報通知書を権利証と呼んでいる者も多いです

 

投資物件購入を確実に成立させるポイント

スピード以外で取引を確実に成立させるためにもう一つ大切なのは、不明点はどんな小さなことでも必ず確認し解決しておくことです

経験の浅い方は特に、取引中に不審に感じたり明確に理解できなかったりしても、やり取りが早いテンポで進んでいくため確認を後回しにしてしまいがちです。

しかし後で希望条件に合わないことや予想外に費用がかかることがわかっても、訂正が効かない段階になっていれば計画通りの投資にならず非常に危険です

大切な資金を投じての物件購入を確実なものにするために、常にその場で確認をするか専門家にアドバイスを求めながら取引を進めてください。

 

まとめ

賃貸物件の契約から引き渡しまでの手続きは、実際にはそれほど複雑ではなく、買付、融資審査、契約、融資申し込み、決済という大きなステップとそれに付随する細かな手続きがいくつかあるだけです。

事前にそれぞれのステップで自分が行うこと、準備することを相手方にしっかり確認し、早めに行動していけば手続きでの失敗は避けられるでしょう。

今回ご紹介した流れを参考に、ぜひ良い物件購入を実現させてください。

 

【記事監修】 山田 博保

株式会社アーキバンク代表取締役/一級建築士
建築業界での経験を活かした不動産コンサルティング及び建築、不動産に関わるWEBメディアを複数運営。Facebookお友達申請大歓迎です。その他、建築や不動産、ビジネスモデル構築に関するコンテンツは公式サイトより。

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